
園長先生のおはなし
25/12/2 3:00
今年も幼稚園の待降節が始まり、子どもたちは聖劇や、クリスマスの歌の練習に楽しそうに取り組んでいます。ホールには馬小屋が設えられ、アドベントカレンダーの日めくりも始まりました。アドベントカレンダーは、イエスさまをふさわしくお迎えすることが出来るための毎日の心がけを重ねていくために使う暦です。暦を通して、イエス様をお迎えする心の準備をしていきます。
待降節の原語的意味は到来と訳すことが出来ます。日本語では待つという意味合いを持つ言葉として表現されていますが、アドベントの意味は、救い主の到来です。約2000年前に歴史的にお生れになった救い主であるイエス様を思い起こすこと、さらに世の終わりに再び、栄光に満ちたお姿でおいでになる救い主を待ち望むことを重ね合わせることが、待降節、アドベントの過ごし方です。それはイエス様をお迎えするために、私たちの心をどのよう整え、生き方を相応しく変えていくかということが問われる時です。聖クララ幼稚園の子どもたちは、アドベントカレンダーを使いながら、日々良い約束を更新することで、1人ひとりの心にイエス様をお迎えする準備をしています。それは日々、生活を良い方向に改め、成長していくプロセスでもあります。
人となられたイエス様はベトレヘムという小さな町の馬小屋で秘かにお生れになりました。イエス様のご降誕を心から喜び祝うことが出来たのは、マリアとヨセフ、そして社会の中で蔑まされ、疎まれ、人間扱いすらされなかった貧しい羊飼いたちでした。また、当時の社会からは、忌避されていた外国人である三人の博士たちでした。博士たちは、遠い道程を旅して、幼子イエス様のお誕生をお祝いしました。イエス様の誕生を、喜び、お祝いできた人たちは、本当に大切なことは何であるかを理解し、どんな苦境にあっても互いに助け合い、支え合い、誠実に生きようとする人たちでした。そのよう なわずかな人たち、そして羊やロバといった動物たちに囲まれ、イエス様はお生れになりました。馬小屋は、貧しくはあっても、そこには大きな喜び、真の平和がありました。馬小屋は愛に満ちていて、あらゆる悲惨さを拭い去る地平を拓くものでした。馬小屋は、私たちの心の本来の姿を象徴しているともいえます。 つたなくはあっても、私たちが幼子イエス様をお迎えする暖かい馬小屋となるよう日々の生活を改めていくこと、平和のために祈ること、そして幼稚園の子どもたちのように、日々のアドベントカレンダーを繰っていくことを心掛けたいと思います。
クリスマスは愛と平和に満ちた家庭のお祝いでもあります。真の平和は、家庭から始まり、それが世界の平和の実現にも繋がると信じます。クリスマスの恵みが、皆様の上に豊かに注がれるよう、お祈りいたします。











